米ドル/円相場は、1ドル=98円水準で下げ一服となった後、99円水準まで小幅切り返す展開になっている。米金融緩和政策の早期縮小観測が後退していることで一時97.59円(7月31日)までドル安・円高が進行したが、リスクオンの地合を背景に日本株買い・円売りを再開する動きも強く、明確な方向性は打ち出せていない。
7月30~31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されたが、声明文では経済活動に対する評価が引き下げられたことに加えて、低インフレに対する懸念が新たに表明されており、少なくとも金融緩和策の早期縮小を支持するような内容とはなっていない。ただ、景気回復傾向が続く中では緩和策縮小の方向性そのものに修正を迫ることは困難であり、改めてドル売りを仕掛けるような動きも限定的。フォワードガイダンスの修正などについても何ら示唆が行われておらず、9月FOMCまで結論を先送りした形になっている。
一方、8月2日に発表された7月米雇用統計では失業率が前月比-0.2%の7.4%と良好な結果になったが、非農業部門就業者数に関しては前月比+16.2万人と市場予測+18.5万人を大きく下回っており、評価が分かれる数値になっている。こちらも特に今後の金融政策見通しに大きな修正を迫るような内容ではなく、仕掛けづらい地合が続くことになる。日々発表される経済指標に一喜一憂しながらも、トレンド形成が困難な地合が続く見通し。全般的にはリスクオンの地合を背景にドル高・円安圧力が強まり易い地合が続くとみているが、米金融政策の先行き不透明感から米金利環境のトレンド形成が難しくなる中、大きな値幅は想定しづらいとみる。
テクニカルでは一目均衡表の雲から抜け出しており、当面のボトム確認から100円の節目を試す流れに。サイコロジカルは、前週のから6勝6敗から5勝7敗へ。14日RSIは49.04。